今回は、プロサッカー選手になれる確率であったり、平均年収、必要な練習量など調べてみましたので、ご紹介してみます。
プロサッカー選手という職業には定義があります。
サッカーの国際統括団体であり、スイスの法律に基づいた自立法人である国際サッカー連盟(Fédération Internationale de Football Association:FIFA)(以下、FIFA)が「選手の地位と移籍においての規定」で明確にしています。
それによると、「プロサッカー選手とはクラブと契約書を交わし、生活費を超える金額がクラブから支払われている選手」とあります。
具体的な給料額に言及しないのは、プロリーグを開催している国によって物価・生活水準が違うからです。
日本でプロサッカー選手の基準を満たすためには、クラブから支払われる金額が日本の平均的生活出費額 超える必要があります。
総務省統計局の家計調査によると単身世帯の1ヶ月の平均消費支出額は163,781円です。
つまり、上記の平均消費支出額を超える金額でクラブと契約すれば、日本ではプロサッカー選手と呼ばれます。
日本でプロサッカー選手になる為には
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- Jリーグ下部組織からの昇格
- 高校からスカウトで入団
- 大学からスカウトで入団
- 社会人でJFLのチームからJ3に昇格
- 海外でプロのサッカー選手になってJリーグに逆輸入
これらの方法しかありません。
社会人からJリーグのチームに練習参加・入団するという方法もありますが、Jクラブと強い人脈を持っている人の斡旋等がない限り、社会人からプロサッカー選手になる可能性は相当低いです。
この記事では、狭き門である
- プロサッカー選手になれる確率
- プロサッカー選手の平均収入
- プロサッカー選手になる為に必要な練習量
それぞれに分けて説明しています。
目次
プロサッカー選手になれる確率・平均収入・必要な練習量
2020シーズンのJリーグ登録選手はの合計1,650人(平均年齢25.72歳)になります。
2020年 | 登録選手数 | 平均年齢 | 平均年棒 |
---|---|---|---|
J1 | 565人 | 25.81歳 | 3,446万円 |
J2 | 656人 | 25.76歳 | 440万円前後 |
J3 | 429人 | 25.55歳 | データ無し |
日本国籍のプロサッカー選手は
- Jリーガー・・・1,650人
- 外国人Jリーガー・・・86人
- 日本人Jリーガー・・・1,564人
- 海外組日本人サッカー選手・・・478人(ヨーロッパでプレーする日本人が305人)(出典:中国メディア)
合計2,042人になります。(J3のアマチュア契約の選手も含む)
総務省統計局の発表した人口推計によると、日本男性人口は61,530,000人ですので
2,042(人) ÷ 61,530,000(人) = 0.00003(日本男性人口の0.003 %)
日本人を1万人程集めると、その中にはプロサッカー選手が3人位いるということになります。
しかし、残念ながらこの数値はプロサッカー選手になれる確率を表したものではありません。
なぜかというと、日本男性人全員がプロサッカー選手になりたいと思っているわけではないからです。
では、どのようにしてプロサッカー選手になれる確率を考えればいいでしょうか。
今回は、「高校生・大学生で日本サッカー協会に所属している選手が日本でプロサッカー選手になれた割合(確率)」をプロサッカー選手になれる確率と仮定・検証したいと思います。
高校生・大学生が日本サッカー協会に所属している選手の人数
出典:日本サッカー協会
日本サッカー協会のカテゴリは
- 第1種・・・年齢に関する制限のないチームを指す。一般には男子のプロチーム、アマチュア一般社会人チーム(実業団チーム、クラブチーム、学生・社会人の混合チーム等)、大学チーム、専門学校チームなどがこれに該当
- 第2種・・・18歳未満の選手で構成されるチーム
- 第3種・・・15歳未満の選手で構成されるチーム
- 第4種・・・12歳未満の選手で構成されるチーム
- シニア・・・40歳以上の選手で構成されるチーム
- 女子(第5種)・・・女子選手で構成されるチーム。規約上、年齢に関する制限はない
Jリーガーになった高校生・大学生の人数
そして、2020年にJリーガーになった人数は、
- 高校生 89(人)(下部組織より昇格は58(人))
- 大学生 114(人)
となっています。
第3種(中学生:15歳未満の選手)から、第2種(高校生:18歳未満の選手)に上がる際に、かなりの人数のアマチュアサッカー選手が辞めてしまいます。
「プロサッカー選手になれる確率」の数字の精度を上げるためには、中学生から高校生になる際に辞めた割合も考慮すると良いのかもしれませんが、今回は無視します。
高校生がJリーガーになれる確率
第2種(高校生:18歳未満の選手)の登録人数は173,135人です。
これは3学年合計の人数ですので、1学年の人数が1年生から3年生まで均等にいると仮定すると、
169,062(人) ÷ 3(学年) = 56,354(人)
Jリーガーになれた高校生は89(人)なので、
89(人) ÷ 56,354(人) = 0.0015 (約0.15 %)
つまり、サッカークラブにに所属している高校3年生の10,000人のうち約15人がプロサッカー選手になれた計算になります。
Jリーガーになれた高校生89(人)のうち58(人)が下部組織より昇格しています。
Jリーグ下部組織よりトップチームに上がる割合を計算してみます。
J1・J2のチーム数は合計40チームで1学年当たりアカデミー生は8人が平均ですので、
58(人) ÷(8(人) × 40(チーム)) = 0.18 (約18 %)
アカデミーに所属できれば、5,6人に1人はプロサッカー選手になれる可能性があります。
大学生がJリーガーになれる確率
1種は、
- Jリーグ
- JFL
- 社会人連盟
- 大学連盟
- 専門学校連盟
- 高専連盟
が混在するので、それぞれのデータを探しましたが見つける事が出来ませんでした。
そこで、東京都サッカー協会のデータを利用して「大学生がJリーガーになれる確率」を計算したいと思います。
出典:東京都サッカー協会
1種の登録人数は10,968(人)。
東京都の1種の登録人数は、全国の1種の登録人数の約9%弱を占めています。
10,968(人) ÷ 122,999(人) = 0.089(8.9 %)
東京都の1種の登録人数における大学生の登録人数は3,844(人)。全体の約35%。
3,844(人) ÷ 10,968(人) = 0.350(約35.0%)
この割合を全国の大学生の登録人数も当てはめてみると
122,999(人) × 35% = 43,049(人)
43,049(人) ÷ 4(学年) = 10,762(人)
Jリーガーになれた大学生は114人なので、
114(人) ÷ 10,762(人) = 0.010(約1.0%)
サッカー部に所属している大学4年生の100人のうち約1人がプロサッカー選手になれる計算になります。
因みに、プロ野球選手になれる確率(プロになれる人数 ÷ 競技人口)は、116 ÷ 67,312 = 約0.172%
プロサッカー選手の平均収入
プロサッカー選手は
- サッカークラブにに所属している高校3年生の10,000人のうち約15人
- サッカー部に所属している大学4年生の100人のうち約1人
という狭き門を突破した人だけが勝ち取れる職業です。
それだけの狭き門を突破したのだから、それなりの対価が待っていると思われがちですが実体はそうではありません。
2020年のJリーガーの平均収入は以下の通りです。
2020年 | 登録選手数 | 平均年齢 | 平均年棒 |
---|---|---|---|
J1 | 565人 | 25.81歳 | 3,446万円 |
J2 | 656人 | 25.76歳 | 440万円前後 |
J3 | 429人 | 25.55歳 | データ無し |
J2の選手でも、平均年棒は440万円前後しかありません。
J3では、各クラブは「プロ契約選手の保有人数が3人以上」が規定ですので、プロ契約選手が3人いれば、その他の選手は全員アマチュア契約でもチームとして成立します。
J3クラブの
- プロ契約
- アマチュア契約
の割合はチームの状況によって様々ですが、実際にはほとんどのJ3クラブの選手がアマチュア契約で、サッカースクールのコーチなどのアルバイトをしながら生計を立てています。
プロサッカー選手になる為に必要な練習量
日本ではJ1リーガーにならない限り、プロサッカー選手になっても経済的に厳しい待遇ですが、プロサッカー選手になりたいと思っている子どもたちは多くいます。
では実際にプロサッカー選手になるために、どのくらいの練習時間を費やしているのか計算してみましょう。
今から計算する結果は必要最低条件でもなく単純な目安になります。。
今回は、
- 小学生1年生からサッカーを始め
- 1日2時間の練習が週5回
- 週に試合が1試合
- 週に1回、1日はオフ
という1週間のサイクルという仮定条件で計算していきます。
1週間のサッカー活動時間:2(時間) × 5(日) + 1.5(時間) × 1(日) = 11.5(時間)
1年間のサッカー活動時間:11.5(時間) × 52(週) = 598(時間)
小学校6年間のサッカー活動時間:598(時間) × 6(年間) = 3,588(時間)
中学校3年間のサッカー活動時間:598(時間) × 3(年間) = 1,794(時間)
高校3年間のサッカー活動時間:598(時間) × 3(年間) = 1,794(時間)
大学4年間のサッカー活動時間:598(時間) × 4(年間) = 2,392(時間)
日本サッカー協会の規定では、プロサッカー選手は満16歳以上なので、高校1年生で誕生日が4月1日の人で、中卒でプロサッカー選手になれた人は、
3,588(時間) + 1,794(時間) = 5,382(時間)
高卒でプロサッカー選手になれた人は、
3,588(時間) + 1,794(時間) + 1,794(時間) = 7,176(時間)
大卒でプロサッカー選手になれた人は、
3,588(時間) + 1,794(時間) + 1,794(時間) + 2,392(時間) = 9,568(時間)
国家資格である弁護士合格に必要と言われている学習時間は3,000時間から10,000時間と言われています。弁護士資格取得の試験も誰でも受験できるわけではなく、受験資格要件を満たす必要があります。
2017年 出願者数 6,716人、 受験者 5,967人 、 合格者 1,543人
1,543(人) ÷ 5,967(人) = 0.258588(約25.85%)
2020年 | 新入団選手数(人) | プロサッカー選手になれる確率(%) | 最低必要練習量(時間) |
---|---|---|---|
中卒 | 0 | 0 | 5,382 |
高卒 | 89 | 0.15 | 7,176 |
大卒 | 114 | 1.1 | 9,568 |
以上、
- プロサッカー選手になれる確率
- プロサッカー選手の平均収入
- プロサッカー選手になる為に必要な練習量
になります。
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本田
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